天皇家にはなぜ苗字が無いのか?

天皇家にはなぜ苗字が無いのか?

 

 

こんにちは!「スメラミコト物語」を運営しているみっちーです。

 

 

今回のテーマは『天皇家にはなぜ苗字が無いのか?』です。

 

 

佐藤さん、佐々木さん、高橋さんといった苗字が、天皇家にはありません。どうして天皇家には苗字が無いのでしょうか?今回はこれについて紹介したいと思います。

 

 

それではいってみましょう!

 

『氏姓制度』に由来するという説

私は日本史が非常に好きなので、職場やプライベートなどでもたまに歴史に関する質問をされることがあります。頻度は多くないのですが、『天皇家の苗字ってなんなの?』という質問をされたことがありました。

 

 

確かに、テレビや雑誌などで皇族に関する呼称は『美智子さま』『愛子さま』『佳子さま』といったものです。苗字で呼ばれることはありませんね。

 

 

結論からいうと、天皇家に苗字はありません。(苗字だけでなく戸籍もありません)

 

 

なぜ天皇家に苗字が無いのか?その確かな理由は、実のところわかっていません。ただし、わかっていないのですが、有力とみられている説が一つあります。

 

 

それは、『氏姓制度』です。

 

 

『しせいせいど』『うじかばねせいど』などという呼ばれ方をしています。これは教科書にも記載があるので、意味はよくわからなくても聞いたことはあるという方が多いのではないでしょうか。

 

 

この氏姓制度は古代日本において確立された制度です。時代でいうと、蘇我氏・物部氏・中臣氏などが出てくる時代です。大和王権の時代ですね。古墳とか出てきたじゃないですか。その頃に作られた制度です。

 

 

氏姓制度がなぜ天皇家に苗字が無いことと関りがあるのか?その理由を知るためには、まずは氏姓制度とはなんなのか?ということを知る必要があります。

 

『氏姓制度』とはなにか?

『氏姓制度』は大和王権がその勢力を拡大していく中で形成されていったものです。順番に見ていきましょう。

 

 

氏(うじ・し):血縁で結ばれた集団・一族を表す言葉。蘇我、中臣、物部などがこれにあたります。

 

 

姓(かばね・せい):地位を表す言葉。臣(おみ)、連(むらじ)、君(きみ)、造(みやつこ)、直(あたえ)、首(おびと)などがあります。この中でも特に、大和周辺の地名を氏にもつ『臣』と軍事など重要な役割を担う『連』は格が高いです。その中でもさらに、有力なものが『大臣(おおおみ)』『大連(おおむらじ)』と呼ばれました。

 

 

せっかくなので、古代の大物・中臣鎌足(なかとみのかまたり。大化の改新で有名な人物で、のちの摂関家・藤原氏の祖となった人物)を例にとってみましょうか。

 

 

中臣連鎌足(なかとみのむらじかまたり)

 

 

これが中臣鎌足のフルネーム(といえばいいのでしょうか)です。この場合、

 

 

氏:中臣、姓:連、名:鎌足

 

 

となります。意味としては『中臣氏の連という地位についている鎌足さん』となります。

 

 

氏姓制度の基本的な内容はこのようになります。

 

『姓』は『氏』に対して天皇が授けるもの

氏姓制度の基本内容を記載したところで、ようやく本題に入ります。

 

 

氏姓の『姓』は、天皇が臣下に授けるものとなります。

 

 

『俺、今日から臣になるわ!』とかいうことは勝手にできません。あくまでも天皇から臣下に授けるものとなります。天皇が頂点に立ち、一族を表す『氏』に対して『姓』を授けるのが『氏姓制度』というものでした。つまり、天皇は姓を与える側なので姓を持つことはありません。

 

 

のちに一時代を築くことになる摂関家である藤原氏、武家の名門である源氏と平氏も、この氏姓制度の下で苗字を名乗っています。

 

 

いきなり苗字という言葉を使用したので、ここでひとつ苗字について説明します。

 

 

混乱させてしまうかもしれませんが、一族の集合体を表す『氏』から生まれたのが『苗字』です。例えば、室町幕府を開いた足利尊氏という人物ががいました。この足利氏というのは実は『源氏』です。ですから正式にいうと、足利尊氏という人物は『源尊氏(みなもとのたかうじ)』です。

 

 

ところが、最初は『源氏』でよかったんですが、時代が進んでいくと親せきがどんどん増えていくんですね。更に色んな土地に分かれて住むようになります。そこで一族・血縁集団を表す『氏』から家族単位を表す『苗字』というものが使われるようになります。

 

 

ですから、足利尊氏の場合は【氏は源】【苗字が足利】【名前は尊氏】ということになります。ちなみに足利というのは地名で、『源氏の足利という土地の尊氏さん』という意味です。足利氏の由来は下野国(現在の栃木県)の地名です。

 

 

それと、上述のように、もともとは氏と姓と苗字は意味が異なります。ですが時代が進むにつれて、『氏』『姓』『苗字』は同じような意味で使用されていくようになります。

王朝交代があれば天皇家にも苗字があった

話を戻しましょう。

 

 

日本という国は政治の実権を握る人物はたびたび変わりましたが、天皇家は唯一無二の王家としてかわらず残りました。藤原氏が実権を握っても、幕府が政権をとっても、あくまでも天皇から与えられた実権を使って政治を執ったというのが実態です。

 

 

これが外国のように王朝交代があれば、それまでの王朝と区別する必要があるので氏(苗字)が必要になります。

 

 

それが日本では天皇家がずっと続いていたので、区別する必要がありません。ひとつしかないわけですからね。

 

 

これが例えば、高橋さん(特に他意はありません)が天皇家を滅ぼして、高橋王朝を開くなどのことが起きていれば、現在の天皇家も苗字があったと思います。それは王朝が変わっているので、区別する必要があるからです。

 

 

ですが、そういうことは無いまま歴史が続いてきました。ですから、明治維新のときに四民平等で武士以外の人達も苗字を持つようになったときも、天皇家だけはかわらず苗字を持ちませんでした。唯一無二の存在ですから持つ必要がなかったのです。

 

 

繰り返しになりますがもともと、

 

 

血縁で結ばれた集団・一族『氏』に対して地位を表す『姓』を与えていた唯一の存在が天皇というわけです。ですから、唯一の与える側の存在ですから、自分達は『氏』も『姓』も『苗字』持つ必要が無いということなんですね。

 

 

というのが、現在天皇家が苗字を持たない理由となっていると考えられています。

皇族の人間が苗字を持つとき

ですが現在、皇族の人間が苗字を持つときがあります。

 

 

それは、皇族の身分を離れるときです。

 

 

これはどのような時に起きるかというと、結婚の時と離婚の時です。皇族の女性が結婚した場合、皇族の身分を離れることになります。例えば、今上天皇の第一皇女である紀宮清子(のりのみやさやこ)内親王は、2005年に結婚されて黒田清子さんになり、一般人として生活されています。

 

 

ちなみに、皇族から離れた方が離婚された場合、すでに一般人となっているので再び皇族に戻ることは出来ません。

 

 

 

ということで、今回は【天皇家にはなぜ苗字が無いのか?】でした。
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